獣医師ふーの日記

日々気になったこと

獣医ママの知育 スカイネット 立体パズル 猫 解剖モデル

私は大の動物好きで結婚・出産前は動物病院の獣医師でした。今は別の仕事をしていますが、動物の体の精緻さや複雑さから生ずる不思議な魅力は子供にも伝えたいと思っています。

そこで解剖パズルを購入しました。まずは動物病院でも身近だった猫パズルです。

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こちらの立体パズルは腸、肺、胃、子宮、腎臓、四肢の骨と肋骨、肉球といったパーツを適正な部分に当てはめていきます。人間の医療系の仕事をしている家族にやってもらったところ解けず、私は一応本職でしたので数十秒で組み立てることができました(自慢したらうざいと言われました)。

 

パーツが小さいので子供にしばらく与える予定はなく、自分で見て楽しむ目的で購入しましたが、子供の方から興味を示して組み立てるようとしています。

取り組んでいる間は目を離さず、遊んだらコレクションケースに飾って愛でることをおすすめします。

 

腎臓や子宮、腸管や四肢の骨は見た目にも動物の種による差が大きい部分ですので、複数の解剖パズルを揃えたり、人体と比較すれば人と動物の違いに気づくでしょう。私はイルカのものを持っています。イルカは腸管が肉食の動物では珍しく長く、また腎臓がブドウの房のようにわかれた葉状腎という形態をしています。学生時代は馬のフィギュアも持っていました。

 

語りかけ案:「どうして馬・牛の腸(消化管)は長いのに猫の腸はそれほどでもないのかな?」

 

→草はとても硬くて、自分の消化酵素だけでは栄養素にできるまで分解が難しいから、草のセルロースなどを分解してくれる微生物を棲まわせるために大きいんだよ。

犬は猫の腸管のだいたい1.5倍長いけれど、それも犬の方が猫ちゃんより雑食性が強くて植物由来の食べ物を摂取しているからかもね。。。など。

 

肩甲骨のあたりは人間と四速歩行の動物では違い、馬牛犬猫では鎖骨は退化し肩甲骨は筋肉のみで接続しています。ここからは私の予想ですが、犬猫牛馬などでは鎖骨にあたる骨が発達していない分、肩甲骨をより前に出しやすく移動する上では有利なのではないかと理解しています。

 

図鑑では人体のものも豊富なので、人の肩甲骨あたりの骨の構成の違いを学ぶのもよいでしょう。自分自身の体を知ることだけでなく、自分とは異質な存在の構造を知ることは子供の世界を拡げることでもあると思います。

学研の図鑑の付属のDVDは英語版にもできますので、おうち英語などされているご家庭にもおすすめです。